高松港から大島へ向かいます。
【行程】
高松港
13:55発 フェリー(無料)
大島港
14:20着
16:15発 フェリー(無料)
高松港
16:40着
大島は国立の私有地?なので官有船に乗船することになります。
また、この船への乗船は予約が必要ですが無料でした。
この島に瀬戸内国際芸術祭の作品が展示されるというのは、思い深いものがあります。
大島全体が国立ハンセン病療養所の大島青松園になっていて、この大島への入島は大島青松園の許可が必要となります。
この島は「らい予防法」により、ハンセン病にかかった人を隔離していたという暗い過去があった場所で、なんとなく、この島への立ち入りを拒んでいるかのような不思議な気分になりました。
この島での鑑賞は、係員の人と一緒にツアーガイドを受けながら移動することになります。
道には、このような白い線が書かれています。これはハンセン病によって目の視力が弱くなった人が道を安全に歩けるようにという標なんだそうです。
これ以外にも所々から音楽が流れていて、どこに何があるかを識別できるようにしているとの説明を受けました。
これも悲しい過去の一つです。ここに隔離された人は死ぬまでこの島を離れることができません。なので、この島でお遍路周りができるように、八十八カ所のお地蔵様が祀られています。
また、色々な宗教施設が同じ場所に隣接して建っていたり、遺骨を納める供養塔などもありました。今でもこの場所に住まわれている80人ほどの患者の遺骨を納める場所が、すでに確保されているという事実を聞き衝撃を受けました。
この作品は「青空水族館」にあった作品です。
大粒の涙を流し続ける人魚が展示されています。
同じ場所に海の中の多様な生き物が映像として展示されていました。
何を物語っているのか分かりませんでしたが、何となく悲しい作品です。
これは作品ではなく、海中から引き揚げられた解剖台が展示されています。
約25年前に捨てられた患者の遺体解剖に使われていた解剖台であることをやさしい美術プロジェクトのディレクター高橋伸行さんから直接説明していただきました。
ハンセン病の隔離政策は、ひどく暗い過去が見え隠れします。
この作品は「{つながりの家} 海のこだま」に展示されていた船です。
大島から脱走しないように、ここには船が無かった(制限されていた)そうで、ただの船の残骸ですが、貴重な船だったそうです。
また、患者さんが住んでいた場所を利用して展示物が設置されているのですが、この部屋に入るときは靴を脱ぐようにと言われました。
昔、患者さんが住んでいた家に医療職員が土足で家の中に入っていった悲しい過去があるためだそうです。
瀬戸内国際芸術祭がなければ、このような島に行く事がなかったと思います。
貴重な体験ができました。
つづく。